見立て

パッと見では理解しにくい「背景」や「懸念」を、見とる。

第1回では、「見る」(見立てる)とはどういうことか、基本的な考え方を事例を通して学びます。

どの教室でも見かける、一見「やる気がない」「なまけている」「自分勝手」「わがまま」と取れる児童生徒の言動。授業中だから、次の授業が始まるから、もう下校時間だから…いつも時間に追われている学校現場では、ついつい時間優先で直感的にこどもの言動を結論づけてしまいがちですが、その判断が「見誤り」であることは少なくありません。

学校だけの姿を見ていても気づかないかもしれない。
今日のこの場だけの問題ではないかもしれない。
本人の言い分の背後に、もっと別の原因が隠れているかもしれない---。

担任が余裕がないかもしれないからこそ、特別支援教育支援員のみなさんには、児童生徒の行動の問題の原因・理由を探る「探偵」であってほしいと願います。
先生(担任)の味方(代弁者)ではなく、先生と子どもを取り持つ中立の立場、もしくは、ストレートに「子どもの味方(代弁者)」になること。ここが、問題解決に向かう最初の一歩です。

この回は、学齢期の心理アセスメントの指針として広く用いられている知能検査WISC-IV(ウィスク・フォー)、また同検査の未就学バージョンWPPSI-III(ウィプシ・スリー)等の日本版刊行委員である当会実行委員長・大六一志氏を講師に、特別支援教育支援員が学校・教師・児童生徒と最も効果的に関われる立ち位置や、真価を発揮できる関わり方について考えます。

  1. オリエンテーション
  2. 講義「”こどものミカタ”概論」
  3. ワークショップ(1)「やる気がない、怠けている」事例
  4.  
    休憩

  5. ワークショップ(2)「わがまま、自分勝手」事例
  6. 講義「全体のまとめ」
  7. 事務局からのインフォメーション、フリー交流タイム

講師:大六 一志

<プロフィール>
【だいろく・ひとし】
博士(心理学) 臨床心理士 臨床発達心理士 特別支援教育スーパーヴァイザー
日本臨床発達心理士会茨城支部 支部長 日本版WISC-IV・WAIS-III刊行委員 元筑波大学人間系教授
日本特殊教育学会理事 認知神経科学会理事 日本K-ABCアセスメント学会常任理事 1996年日本心理学会研究奨励賞受賞
年間120本のWISC研修講師を務めるほか、教員を退任した現在も筑波大学人間系で教鞭をとる。茨城県・つくば市・土浦市・取手市の教育委員会、東京都域など、巡回相談員、特別支援教育アドバイザー、顧問等の実績多数。心理検査、アセスメントについての著書も多い。